さだまさし氏の言葉

昨晩たまたま、さだまさし氏のトーク番組(今夜も生でさだまさしNHK)を見た。発する言葉が、聞く人の魂を救う瞬間だったかもしれない。


ある女性視聴者からのはがき。

『夫が余命3ヶ月と宣告され、身内でも相談の結果、本人に告知しないまま夫は他界した。もし本人が余命3ヶ月と知っていれば、残された時間を違う形で過ごせたのではないか。告知しなくて本当に良かったのか自責の念にかられる。また、自分の場合には告知して欲しいと思うが矛盾だろうか。』という内容だった。


さだ氏は、概ね以下のようなことを話した。
『(奥さんが)感じられたようにされて良かったのだろうと思います。世の中には様々なタイプの人がいる。一見強そうに見えるが告知されて動揺する人、見かけとは逆に、芯の強い人もいる。告知するか否か、どちらが良いか分からないのだから、誰よりも一番身近で見ている人の感じたままで良かったのではないでしょうか。』


はがきを投稿された女性の心に、この言葉はどのように届いたのだろうか。


あとで編集(訂正)できない生放送で、時間制限などを理由にはがきを紹介しない選択もできたかもしれない。さだ氏は、自らの言葉を語った。


三者の立場から放送をみた者としては、軽妙なトークを交え、他人が抱える痛みに目を背けず一歩前に出た同氏の姿勢に、大人が示す勇気と優しさを感じた。薬や手術は、尊い命を救うことができる。覚悟から発する言葉は、迷いの中にある魂を救うことができる、と信じたい。